少女は街で途方に暮れていた。
約束の時間になってもパートナーが来ないからだ。
先ほどメッセージで残業で送れると連絡は来ている。
そう、パートナーが来ないことはわかっているんだ。
だが、何をして時間をつぶせというのだろうか。
こんな時間だ、半端に時間をつぶせる店などない。
うーん、困った。
このままだとふつふつとイライラが募ってくる。
そうだ!
踊ればいいんだ。
少女は昨日見た映画を思い出しながら、
その場をクルクルと回る。
先ほどまでうるさいくらいのネオンの光が、
星のように流れていく。
ただそこにあるだけだった風景も、
自分の動き次第でこんなにも変わるものだ。
先ほどまで積もったパートナーへの感情も、
サラサラと流れていく。