朝、まだ薄暗い出張先のホテルの部屋。
ノートPCの画面に向かいながら、俺はコーヒーをすすっていた。
今日の会議資料、昨夜から手を入れ続け、なんとか形になったが……時間が足りない。
早朝の静けさにまぎれて、最後の仕上げに集中する。
午前中は別件の仕事をこなし、その足で移動。
昼飯も食べず、会議前ギリギリまでPCを開き続けた。
前回はブライアン・ホークばりにボコボコにされた会議。
手のひらで転がされ、冷や汗どころか魂が抜けたような気分になった記憶が、まだ新しい。
――今回はどうなるか。
ドキドキしながら会議室の扉を開ける。
会議が始まった。
意外にもスムーズに進行する。
え? 怒られない? あれ、機嫌いい?
予想外の展開に、逆に不安になりながらも、流れに身を任せる。
結果として、大きな問題もなく、会議は無事に終了。
終わった瞬間、どっと疲れが押し寄せた。
会議後の“いい時間”は完全にオフ状態。
集中力が切れて、たいした仕事もできなかった。
それでも、今回は「魔剤」に頼らなかったなと、ふと気づく。
カフェインドーピングなしで乗り越えたのは、ちょっとした自信。
ただ、安心している暇もない。
次回の会議までに、他の業務が山積み。
このままじゃまた進捗が危うい。
だから今度こそ、早めに周囲に泣きつく準備をしなければ。
全部ひとりで背負い込むのは、もう限界だ。
家に帰ると、娘が早めに寝てくれていた。
静かな夜。
久しぶりに、自分も早く布団に入って、ぐっすり眠った。
金曜日。
今日を乗り切れば、ようやく週末の休み。
重たい仕事がまだいくつも残っているけれど、
余裕があるうちに、できるだけ片付けておこう。
雨の朝。
気分はちょっと沈みがちだけれど、
自分のペースで、地道にやっていこうと思う。



